山名: 木曽駒ヶ岳 (きそこまがたけ)
高さ: 2,956m
場所: 中央アルプス(長野県)
日にち: 平成15年8月2日〜3日(テント泊)
行程時間: 上り 8時間40分
下り 6時間14時間50分(休憩含む)
コース: 桂小場ルート(ピストン)
メンバー: 単独




ルートマップ

「人生とは重き荷を負いて遠き道を行くが如し…」

テント泊デビュー最初の山は木曽駒ヶ岳・桂小場(聖職の碑)コースとなりました。エアリアマップの参考登頂タイムが6時間45分。体調さえ整えて望めば、遅くとも時間通りに登れるだろうと思ったら冗談はよし子ちゃん。重荷がじわじわと体力を奪い、目的地のテン場が見えたとき、これは幻影かと思えた、野たれ寸前の山行となりました。(ちとオーバーな表現ですが…(^^;))



一日目
登山口(80分)野田場(30分)馬返し(30分)大樽避難小屋(40分)やっとこ平(80分)胸突ノ頭(50分)西駒山荘(80分)8合目(80分)頂上小屋<テント場>


長旅始まりの登山口

大樽避難小屋

登山口に到着したのは朝の8時。駐車してある車は10台ほど。けっこう利用されてるんだなと思った。自宅で山支度を終え、ザックを体重計に乗せたら17.5Kgを指針。あまり軽量化されていないザックを背負っての山行なので、いつもより入念に準備体操を行う。というか、ちゃんと歩けるのだろうか…

案の定、歩き始めると、右の腰あたりに違和感が出る。ウエストベルトを締めすぎたのだろうかと思い、少し緩めると、今度は右肩が痛みだす。おかしいなおかしいなと歩いてると、まもなく「ぶどうの泉」に到着。手にとって一口頂戴すると甘みがあってとてもうまい。これは焼酎で割ったらおいしいだろうなと思い、帰りにペットボトルに汲んでいこうと考えた。



登山道脇にヘビ出現

しばらく歩いてると、登山道脇にヘビが出現(写真)。少し前に下山者とすれ違ったので、その人に驚いて出てきたのであろうか。それにしても、今回の山行で4回もヘビと出会った。新田さんが「聖職の碑」のあとがきで、このコースを取材で歩いたとき、三人パーティの真ん中になってしまったことを嘆いていた。ヘビはトップを歩く人間に驚いて、二番目に歩いている人間を咬むという。二番目を歩いていた新田さんは、ラストを歩く出版社の人と順番を変わりたいと思うも、口に出せずにいたという。微笑ましいエピソードだと、親近感を覚えたことを思い出した。

登り始めて2時間30分。胸突八丁の入口に到着。ここまでですでにしんどかったのに、これから胸を突くツラさとはどんなだろうか、想像もつかない。休憩している人が数名と、あと、信州大コースから単独の登山者が登ってきて、しばし談笑。あと、ここで初めて同じようにテント泊で登っているパーティを見かけた。しかも、わたしと同じく名古屋近郊の方々で、高速道路を使わない、下道を使ってのケチケチ山行(笑)。親近感と安心感がわく。

ただ、胸突八丁はほんとキツかった…。西駒山荘泊まりにしようかと真剣に考えたほどだ。でも、前述した同じテント泊を目的としてる人が「19時までに着けばいいと思ってる」という言葉を聞いて、そうだ、焦らなくてもいいと思った。



遭難記念碑

チングルマの群生

14時20分頃、遭難記念碑に到着。いまでこそ天気予報がかなりの確率で当たるご時世になったものの、大正2年の頃はまずテレビがないわけだ。黙祷。

再び歩き出す。ここから山頂まではガイドブックで1時間40分。たとえ10センチでも、一歩一歩、確実に前へ進めば、いつかは目的地へ辿り着くであろう。アルプスの景観に励まされながら、目的地のテント場が見えたときは、何ともいえない気持ちになった。




疲れた身体にムチを打ち、テントを設営して、缶ビールを飲んでいると(こんなの積んでるから軽量化できない)、前述の名古屋近郊から来ているパーティの姿が見えたので、手を振り、言葉を交わして一日の労をねぎらう。

食事を済ませ、ウィスキーをたしなんでいると、「流れ星だぁ〜」という声が聞こえる。テント入口のチャックを開け、空を見ると満天の星が…。これだけの星を見たのは、プラネタリウム以来かもしれない。星座のことは詳しくないが、さそり座は一発でわかった。これは明日は天気になる!と確信して、寝袋にくるまる。が…、テントに風の当たる音で目覚める。なんだなんだ、もう朝か!?と思い、時計を見るとまだ23時である。ここから、常時吹いてる風と、時折混じる突風と寒さで、何度も目が覚めてしまう…。幸い、雨は降らずに済んだのですが、さっきの星空はなんだったんだ、山の天気は変わりやすい、、




二日目
頂上小屋(120分)西駒山荘(80分)やっとこ平(45分)馬返し(15分)野田場(60分)登山口

あまり眠れないまま、4時頃からぼちぼち人が起き出して声が聞こえる。が、相変わらずの強風と霧で、きっとご来光は無理だろうと諦めて、6時まで眠る。結局、この二時間でかなり熟睡することができ体力が回復した。おまけに天気も回復したみたいで、テントから出ると甲斐駒のシルエットが見えた。

これは天気になるぞ〜と、テントに荷物を置いて、山頂へ向かう。しかし、天気はまだ安定してくれないみたいで山頂は曇り。「ブロッケンが出る、ブロッケンが出る」と霧に向かって手を振る人がいたので、恥ずかしながら自分もしてみる。が、出なかった。



木曽駒ヶ岳山頂

テント場へ戻るころには、天気が安定しはじめたので、下山開始。馬の背の稜線を歩いていると南アルプス全部がシルエットで見渡せ、富士山も見えた。しばらく歩いて左を見たら、御嶽・乗鞍・穂高・槍が見えた。苦労して来た甲斐があったと心底思い、時間を忘れ山々に見とれる。


馬の背あたりから見た霊峰・御嶽


木曽駒ヶ岳

南アルプス北部のシルエット






黙々といいペースで下れたなと思ったが、時計の針は登山口近くの「ぶどうの泉」で13時20分を指していた。6時間かかった勘定だ。まもなく、登りのときよくお会いした、西駒山荘に泊まった単独の人も降りてきて、山の話をしたり、水のせせらぎを聞きながら、15分程、今回の山旅との別れを惜しむ。



 伊那IC近くの「みはらしの湯」へ。